ロンドンへ旅行するにはどの季節が良いか、という質問をよく受けます。
ある人は春の花の咲き誇る季節が良いと言い、また他の人はキラキラ輝くクリスマスイルミネーションが美しい冬に訪れてみるのがオススメと言います。
基本的にどの時期に行っても、その季節の美しい景色やフェスティバルなど飽きることなく人々を魅了するものが必ずあるのがロンドン。
ここでは各季節の特徴や楽しみ方をご紹介いたします。
ロンドンの街に彩りを添える春
気候・服装
この時期のロンドンの天気は一日の中に四季があると言われているくらいコロコロ変化します。
朝晩肌寒く、快晴であれば昼頃には肌を突き刺すような日差し。
それから徐々に雲が厚くなって、雨。
ときには4月にヒョウが降ることも。
天気予報も当てにならずどのような服装にすれば良いのか判断するのが難しくなってしますが、薄めのトップスの上にジャケットやコートとマフラー、という装いであれば目まぐるしく変わる天候に対応できるかと思います。
花が咲き乱れるキューガーデン
春には街角に花々が咲き乱れ、ロンドンの街に彩りを添えてくれます。
家に這う藤の紫色や、庭に植えられたピンクや黄色などのバラ。
そのようなカラフルな花を咲かせてくれる植物が一同に集まった場所が、日本人にも人気のあるロンドン南部の王立植物園キューガーデン。
ユネスコ世界遺産にも登録されており、120ha(東京ドーム約25個分)もの広大な敷地に植えられた植物は多くの人々を楽しませてくれます。
一年中楽しめる植物園ですが、やはり春の美しさは格別。
様々な色、大きさの華麗なバラが迎えてくれるローズガーデンは特に人気で、優美な香りで訪れた人を魅了しています。
その他日本庭園や世界の珍しい植物が集まる温室、ジョージ3世が暮らしたレンガ造りのキューパレスなど見所がたくさんあるので、1日かけてゆっくりと巡ってみるのはいかがでしょう。
アウトドアのイベントで盛り上がる夏
気候・服装
昼の時間が一年で一番長い夏至では空が明るい時間が16時間もあり、22時にやっと暗くなってきます。
ディナーを終えてレストランから出てきても明るいため、またどこかへ遊びに行きたい気分に。
また、現地の人々もたっぷりと太陽に浴びていたいと思うらしく、遅くまで昼間のような賑わいが見られる街はエネルギッシュ。
まだ17時くらいだと思ってたらもう20時だったなどと実際の時間が何時なのか分からなくなってしまう事もあります。
この時期のロンドンの太陽は東京よりも低い位置にあるのではないか、と思うくらい強い太陽の熱でジリジリと肌を焼かれ、非常に暑く感じます。
まるで自分がグリルされているよう。
ところがちょっとでも太陽が雲に隠れると日中であっても肌寒く感じるので、半袖だけではなく薄手のジャケットやカーディガンを持っていくのが良いかと思います。
テニスの聖地で開催!世界が注目する一大イベント
ロンドンでは野外で開催されるイベントやフェスティバルが夏に集中しています。
ハイドパークで行われるミュージック・フェスティバルのブリティッシュ・サマー・タイム、カリブ諸国の文化を堪能できるノッティング・ヒル・カーニバルなど。
しかし一番大きなイベントと言えば世界中のテニスファンが集まるウィンブルドン選手権。
ウィンブルドン選手権は歴史と伝統を重んじるテニスの国際大会で、ロンドン南西部ウィンブルドンで毎年開催されています。
決勝戦など人気のチケット購入となると非常に高価で難しいと言われていますが、現地の人やチケットが取れなかった人たちはお手頃にリラックスしながら試合の臨場感を楽しんでいるのをご存知でしょうか。
ウィンブルドンのNo.1コート横の芝生の広場であるアオランギテラス(通称ヘンマンヒル、マレーマウント)には巨大スクリーンが設置。
ウィンブルドン名物ストロベリー&クリームやピムズ&レモネードを頂きながら、コート内で行われる熱戦を約3,000人が観戦しています。
太陽の光が穏やかになる秋
気候・服装
公園の木々の葉が緑色から黄色や赤に変わり始め、観光客が少なくなってくるので街に溢れていた人々も落ち着いてくる季節。
ロンドンには残暑というものが存在せず、9月には最低気温が10度くらいまで下がる時もあります。
さらに夏至が過ぎ、日照時間が一日に2分ずつ短くなるため日中の暖かさを感じる時間がゆっくりと少なくなってきます。
公園のベンチでは名残惜しそうにひなたぼっこをする人も。
1日の中で気温が極端に変化することはありません。
しかし半袖でも大丈夫な東京での装いとは異なり、ロンドンではこの頃からセーターとコートを着ている人もよく見かけます。
花火でお祝いするガイ・フォークス・ナイト
短かった夜が段々と長くなってくるので、夏に出来なかった花火がこの時期に打ち上げられ始めます。
日本では夏の風物詩とされる花火は、イギリスでは秋冬のもの。
日本のものと比較して芸術的な美しさは劣りますが、低い所で開く数が多いので迫力があります。
花火を使用したお祭りとしてすぐに思い浮かぶのが、11月5日のガイ・フォークス・ナイト(ボン・ファイヤー・ナイト)。
1605年の国会開会式当日、国会議事堂を爆破し国王ジェームズ1世を殺そうとしたガイ・フォークスとその仲間たちの計画を未然に防ぐことが出来たため、それを祝って毎年イギリス各地で行われる伝統行事です。
花火の他に、ガイ・フォークスに見立てた等身大の人形にかがり火を焚いて焼いたり、移動遊園地や露天も出て大人も子供も楽しめるお祭りとなっています。
イルミネーションが照らしてくれる冬
気候・服装
ロンドンの北緯は51度。
日本本土の最北端である宗谷岬でも北緯45度ですので、それよりも北に位置している事が分かります。
北海道の冬と言うと雪が積もり、気温がマイナスに下がるのが当たり前というイメージ。
しかし北海道より北にあっても北大西洋海流というメキシコからの暖流のおかげで冬の寒さが緩和されるためそこまで寒くならず、東京とさほど変わらない気温。
冬はマイナスの気温になる事がほとんどないので、東京の冬と同じような厚手のコートとマフラーの格好で全く問題ありません。
真冬なのにTシャツ一枚で出歩いている人を時々見かけますが。
キラキラと輝くクリスマスイルミネーション
夏とは違い、冬になると午後3時50分頃に日没。
寒いし暗いし外出したくない、と思うこともしばしば。
しかしクリスマスシーズンのロンドンの街はどこもキレイで輝いて見えます。
リージェント・ストリートやオックスフォード・ストリートなどの主要なショッピングストリート、ハロッズやセルフリッジズなど各デパートが力を注いだウィンドウディスプレイは非常に美しく見応えがあるので冬に訪れる価値もあります。
それらを見つめる人々の目もキラキラと輝いており、誰もが幸せそう。
12月〜2月のクリスマス以外であれば一年の中で航空券が一番安く手に入るのもこの季節ですので、チャンスを伺って訪れてみてはいかがでしょう。
コメントを残す